ウェイトレスは、
向かい側に置いてあったフォークとナイフと、
氷の解けてしまったグラスを片付けた。
そして男は、
以前向かい側に座っていた人との、
出会いからの日々を回想しながら、
ひとりのテーブルで食事をした。
そして、コーヒーを出された頃には、
回想シーンは、終わりを迎えていた。
もし、彼女がここに居て、
「今までありがとう」という言葉を聞いたら、
男は彼女への思いを、残してしまったかもしれない。
「ありがとう」を言わない、
向かい側の椅子に「ありがとう」を告げた。
そして、
テーブルチェックを済ませ、男は店の外に出た。
待てよ・・・
男は、少し微笑みながら、彼女の名前を確認しボタンを押す。
「こちらはNTTドコモです。おかけになった・・・」
予感は的中し、男の微笑みは、さわやかな笑みに変わった。
居留守でもなく、着信拒否でも無い、
そんな彼女の優しさに、今まで愛したその人を誇りに思った。
8月も終わりに近づき、涼しくなった夜が少し心地よい時だった。

今日もありがとうございました。

竹内 嘉浩心理カウンセラー
There is no time like the present.
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